Abstract
チルトシフト写真の被写体がミニチュアのように見える現象は,一般にミニチュア効果と呼ばれている。チルトシフト写真を観察すると,どのような視覚的印象が生じるのか,また,どのような視覚要因が印象の喚起に関わっているかに関し,両者の関係を網羅的に検討した研究はまだない。本研究はチルトシフト写真の引き起こす視覚的印象を調べた。被験者に本城(2006)のチルトシフト写真10枚の物理的・心理的特性について5段階で評定させ,因子分析を行った結果,「ミニチュア効果」,「評価性」,「密度」,「色彩」,「ぼかし」と「撮影位置」の6つの因子を抽出した。また,ミニチュア効果の高い写真と低い写真の間に,各因子の平均評定値に差があるかを検討した所、チルトシフト写真の被写体の密度,色彩,ぼかしと撮影距離に関する視覚的印象に有意差が見られた。これらの視覚要因が写真のミニチュア効果の生起に関与することを示唆するものと言えるだろう。
Translated title of the contribution | Visual impressions invoked by the "Miniature effect" in photographs |
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Original language | Japanese |
Pages (from-to) | 128-128 |
Number of pages | 1 |
Journal | 日本認知心理学会発表論文集 |
Volume | 2010 |
Issue number | 0 |
DOIs | |
Publication status | Published - 2010 |