治験薬調剤時の逸脱防止に向けた取り組みとその有用性の評価

高木 雅恵, 戸高 浩司, 馬場 英司, 家入 一郎, 田島 壮一郎, 坂口 裕美, 長谷部 結衣, 田中 智佳, 田中 瑠美, 了戒 百合子, 中屋 純子, 西田 朋子

Research output: Contribution to journalArticle

Abstract

<p>【目的】近年、治験実施計画書(治験薬の減量・中止・再開基準等)の煩雑化により、処方箋通りの調剤では実施計画書からの逸脱リスクが高いと考えられる。九州大学病院では逸脱防止の取り組みとして、薬剤師が治験実施計画書に基づき、治験薬調剤時に臨床検査値や有害事象等に対する医師見解を確認している。特に注意が必要な治験薬調剤に関しては、毎月1回の治験薬管理委員会を開催し、薬剤師間で情報を共有するとともに逸脱防止に取り組んでいる。本研究では、過去の治験薬管理委員会で共有した情報と、薬剤師の問い合わせ内容から、治験薬調剤時の逸脱防止に向けた取り組みの有用性を検討したので報告する。</p><p>【方法】2018年度から2020年度までの3年間で治験薬管理委員会にて共有された問い合わせ内容を後ろ向きに調査した。また薬剤師の問い合わせ内容を詳細に検討するために2021年5月から6月までの2ヶ月間の問い合わせについて前向きに調査した。</p><p>【結果】2018年度から2020年度までの3年間において、薬剤師間で共有された問い合わせ内容は13件、そのうち抗悪性腫瘍薬の治験は11件であった。また逸脱防止に繋がった問い合わせは6件あり、うち5件が抗悪性腫瘍薬の処方であった。その内容は臨床検査値に応じた休薬基準や治験薬の投与量に関する上限規定等について問い合わせた事例であった。また治験実施計画書の情報だけではなく、治験依頼者からCRCへメールで治験薬再開時の用量が指示されており、このメールに基づき問い合わせが行われ、処方内容が変更された事例もあった。一方、前向きの調査では2021年5月から6月までの2ヶ月間に調剤した件数は323件あり、そのうち問い合わせ事項は25件(7.7%)、処方内容の変更が必要であったものは2件(0.6%)であった。この2件のうち1件は1回服用量に関する問い合わせであり、実施計画書からの逸脱と関連した内容であった。もう1件は服用日数に関する問い合わせであり、逸脱とは関連していなかった。</p><p>【考察】薬剤師が治験薬調剤時に治験実施計画書を確認することは、逸脱防止の観点から有用であり、安全な治験薬投与が実現できると考えられる。また治験実施計画書に加え、治験依頼者からのメール等もCRCと情報共有し、確認することで、より安全な治験の実施に貢献できると考えられる。</p>
Original languageJapanese
Pages (from-to)1-P-E-3
Journal日本臨床薬理学会学術総会抄録集
Volume42
Issue number0
DOIs
Publication statusPublished - 2021

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