BS-3 麻酔科医からみた周術期輸液療法の考え方

Translated title of the contribution: BS-3 Anesthesiologist's Perioperative Fluid Management Strategies

Research output: Contribution to journalArticle

Abstract

周術期輸液療法の目的、特に術中輸液・輸血の大きな目的の一つは、酸素需給バランスを目指した前負荷の維持である。適切な前負荷を維持することで血圧が維持され、組織灌流が維持され、組織への酸素供給が維持される。手術侵襲が加わると炎症が惹起され浮腫が形成され、血管内用量を保持しにくい状況が生まれる。そのため周術期輸液療法では、いかにして水分を血管内に留めるか、そしてどうすれば間質浮腫を最小限に抑えることが可能か、を考えながら前負荷の維持に努める必要がある。しかし、その重要性が認識されているにもかかわらず、いまだ我々は至適輸液療法を模索している状態である。術中の輸液療法の考え方には変遷があり、晶質液を大量に輸液する方法から、逆に輸液を必要最小限に絞る制限輸液療法の考え方を経て、現在では「輸液最適化」の考え方が主流となっている。そして、その輸液最適化を目指すべく目標指向型輸液療法[Goal-directed fluid therapy(GDFT)]が提唱された。GDFTでは制限的晶質液投与と必要時の膠質液急速投与が2つの大きな柱となる。そして術中に用いる膠質液はアルブミン製剤ではなく人工膠質液が第一選択となる。この人工膠質液は主に術中に用いられ、術後に用いられることはほとんどない。そこで本シンポジウムでは、麻酔科医以外にとっては未だ馴染みの薄い人工膠質液について紹介するとともに、GDFTを中心に現在の麻酔科医からみた術中輸液の考え方を概説する。周術期にかかわるすべてのスタッフと情報を共有することで、より良い周術期の輸液療法の確立を目指していければと考えている。
Translated title of the contributionBS-3 Anesthesiologist's Perioperative Fluid Management Strategies
Original languageJapanese
Pages (from-to)63-63
Number of pages1
Journal外科と代謝・栄養
Volume52
Issue number3
DOIs
Publication statusPublished - 2018

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