抄録
本論では、戦後日本の教育学・理論、特に、日本の教育哲学の発展とその海外との影響関係について制度面・スタッフ面からマクロ的な特徴を解明する鈴木論文の試みに対して、アカデミック・プロフェッションの社会学的研究における研究者の「移動」の測定を巡る先行研究の成果を紹介しながら、注釈を加えた。その結果、鈴木論文で提示された1次元のクロス表だけに留まらず、3変数間以上の要因を同時に分析する多変量解析の手法を用いたり、教育哲学から現在の所属領域への専門分野「移動」などの視点を加えたりすることで、日本の教育学・理論の形成過程に対して、もっと動的なダイナミクスを描写できる可能性があることを指摘した。そうした更なる研究成果により、現在の日本の教育学・理論の動向において「教育哲学」がこれまで基礎研究として果たしてきた役割を確認でき、研究上の意義もより一層明確化される可能性があると思われる。
寄稿の翻訳タイトル | Perspectives of Academic Profession Study in Sociology and the Study of Philosopher of Education |
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本文言語 | 日本語 |
ページ(範囲) | 55-66 |
ページ数 | 12 |
ジャーナル | 近代教育フォーラム |
巻 | 22 |
号 | 0 |
DOI | |
出版ステータス | 出版済み - 2013 |