抄録
AVメディアを介しての音楽聴取行動において、音楽再生音の印象に対する映像情報の影響、並びに映像の印象に対する音楽情報の影響を調べ、どのような視覚と聴覚の相互作用が生じているのかを検討した。迫力、明暗、ユニークといった、視覚と聴覚に共通した性格を通して、聴覚の印象が視覚の印象を強調する共鳴現象が認められた。また、総合的な印象からのフィードバックの介在した協合的な相互作用により、映像を"面白く"する傾向が見られた。更に、映像の付加が、音の"汚さ"を目だたなくさせるような、感覚の感受性の変化も確認された。音楽再生音の最適聴取レベル決定には、再生音の"迫力"のみならず、映像の"迫力"も影響していた。
寄稿の翻訳タイトル | The interaction between auditory and visual processing when listening to music via audio-visual media |
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本文言語 | 日本語 |
ページ(範囲) | 146-153 |
ページ数 | 8 |
ジャーナル | 日本音響学会誌 |
巻 | 48 |
号 | 3 |
出版ステータス | 出版済み - 3月 1 1992 |