救急看護師のSense of Coherenceに影響を与える要因

山口 優, 江川 幸二, 平尾 明美

研究成果: ジャーナルへの寄稿学術誌査読

抄録

Sense of Coherence(以下、SOC)とは、首尾一貫感覚と訳され、ストレス対処能力とも考えられている。これまでSOCがストレス対策に役に立つことや、SOCに負の影響を与える要因に対処することが必要であると報告されている。本研究では、救急看護師のSOCに影響を与える要因を明らかにすることを目的とし、質問紙調査を行った。救急看護師331名から返答(回収率56.9%)があり、うち297名を分析対象(有効回答率51.0%)とした。内的資源では、【仕事のコントロール】、【救急看護能力】、【モチベーション】、【職務満足度】、【緊張処理の成功体験】に、有意な相関がみられ、外的資源では【職場からの支援】に有意な相関がみられた。またSOCを従属変数、SOCに影響を与えると予測された要因を独立変数とした重回帰分析から、R2=.308、F=20.7(p<.001)で【救急看護能力(β=.270)】、【職務満足度(β=.214)】、【救急看護で直面する緊張処理の成功体験(β=.154)】、【頼りになる家族の存在(β=.153)】、【全次型の救急医療体制(β=-.145)】、【職場からの支援(β=.140)】(p<.01)に影響要因が認められた。これらの結果から、【救急看護能力】と【職務満足度】については、他の要因よりも強く影響しており、これら2つの要因を高めることが救急看護師のSOCを高めるための対策に特に重要であると示唆された。
寄稿の翻訳タイトルFactors influencing Sense of Coherence among emergency nurses
本文言語日本語
ページ(範囲)1-10
ページ数10
ジャーナル日本救急看護学会雑誌
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DOI
出版ステータス出版済み - 2016

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