抄録
録音における最適な残響の音量を明らかにするため,無響室録音のオーケストラ音源に電子残響音を付加し,録音エンジニアが最も好ましいと判断する残響音のミキシングレベルを,調整法によって調査した。一方,オーケストラ音源の音響信号のパワーと,その音響信号へ残響に相当する減衰エンベロープを適用した仮想残響信号のパワーとの比を,「エンベロープ指数=E値」と呼ぶ音響信号の特徴量として提案した。種々の無響室録音のオーケストラ楽曲に電子残響を付加するとき,おのおの最適と感じる残響のレベルとE値との関係を検討した結果,両者に高い相関関係が認められ,任意のオーケストラ楽曲のE値を計算することにより,その楽曲における残響の最適ミキシングレベルを推定できることが分かった。
寄稿の翻訳タイトル | Optimal reverberation mixing level of orchestral sounds recorded in an anechoic room |
---|---|
本文言語 | 日本語 |
ページ(範囲) | 215-223 |
ページ数 | 9 |
ジャーナル | 日本音響学会誌 |
巻 | 69 |
号 | 5 |
出版ステータス | 出版済み - 5月 1 2013 |