抄録
X線CTやMRIは短時間,非接触で生体の内部構造が得られる反面,従来のX線撮影と比較して装置が大型かつ高価,撮影や準備に時間がかかり緊急性を要する救急時の骨折診断などでは利用しづらい,などの問題が指摘されている.そこで本論文では,より安価で手軽なX線撮影装置によって得られる少数のX線投影像を用いて,特に人工関節手術や骨折治療においてニーズの高い大腿骨近位部の三次元形状を復元する手法を提案する.本手法は,まず多数の大腿骨サンプルの三次元形状から,主成分分析により平均形状と数個の形状パラメータからなる統計的形状モデルを構築する.次に患者のX線投影像に対し,股関節像と統計的形状モデルの輪郭線を二次元距離場を用いて比較し,最適な形状パラメータを推定する.本論文では,51例の患者のデータから作成した大腿骨の統計的形状モデルを用い,CTにより得られた大腿骨形状から人工的に作成したX線投影像,及び実際の乾燥大腿骨のX線投影像に対して三次元形状の復元実験を行い,提案手法の基本性能を確認する.
寄稿の翻訳タイトル | 3D Reconstruction of Femoral Shape Using a Two 2D Radiographs and Statistical Parametric Model |
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本文言語 | 日本語 |
ページ(範囲) | 945-955 |
ページ数 | 11 |
ジャーナル | 電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム = The IEICE transactions on information and systems |
巻 | 90 |
号 | 3 |
出版ステータス | 出版済み - 3月 1 2007 |