固定性インプラント補綴における咬合調整を考える

研究成果: ジャーナルへの寄稿記事

抄録

<p>インプラント周囲には歯根膜がないため,インプラントと天然歯が混在する歯列においては,インプラントにオーバーロードが生じやすく,MISCH はインプラント部での応力減少を企図したImplant-Protected Occlusion なる咬合理論を提言している.カンチレバー,広すぎる咬合面,強すぎる咬頭傾斜角などは大きな曲げモーメントを発生し,インプラント周囲の骨吸収につながりやすい.これらを減弱するような調整が必要と考えられている点では現在でも通用するコンセンサスと考えられる.しかし,インプラント部の咬合接触を周囲天然歯部より歯根膜分をリリーフする咬合理論については,理論的に正しいとしても,適正な噛みしめ強度が不明であること,臨床で筋力を計測する簡便で有効な機械が普及していない,対合歯の許容能力も個々の歯によってかなり違っていることなどから,適正な咬合調整を実施することは難しい.一旦削りすぎてしまえば,隣在歯への負担が大きくなってしまう.そこで従来の天然歯の咬合調整と同様に行い,対合歯の違和感やスクリューの緩みが認められるようであれば,慎重に削合調整を継続することで臨床的対応としている.</p>
元の言語Japanese
ページ(範囲)65-70
ページ数6
ジャーナル日本口腔インプラント学会誌
29
発行部数2
DOI
出版物ステータス出版済み - 2016

これを引用

@article{56bf9dad026941f29bb78460259083fb,
title = "固定性インプラント補綴における咬合調整を考える",
abstract = "インプラント周囲には歯根膜がないため,インプラントと天然歯が混在する歯列においては,インプラントにオーバーロードが生じやすく,MISCH はインプラント部での応力減少を企図したImplant-Protected Occlusion なる咬合理論を提言している.カンチレバー,広すぎる咬合面,強すぎる咬頭傾斜角などは大きな曲げモーメントを発生し,インプラント周囲の骨吸収につながりやすい.これらを減弱するような調整が必要と考えられている点では現在でも通用するコンセンサスと考えられる.しかし,インプラント部の咬合接触を周囲天然歯部より歯根膜分をリリーフする咬合理論については,理論的に正しいとしても,適正な噛みしめ強度が不明であること,臨床で筋力を計測する簡便で有効な機械が普及していない,対合歯の許容能力も個々の歯によってかなり違っていることなどから,適正な咬合調整を実施することは難しい.一旦削りすぎてしまえば,隣在歯への負担が大きくなってしまう.そこで従来の天然歯の咬合調整と同様に行い,対合歯の違和感やスクリューの緩みが認められるようであれば,慎重に削合調整を継続することで臨床的対応としている.",
author = "恭之 松下 and 優文 木原 and 保則 鮎川 and 大輔 江﨑 and 潔 古谷野",
year = "2016",
doi = "10.11237/jsoi.29.65",
language = "Japanese",
volume = "29",
pages = "65--70",
journal = "日本口腔インプラント学会誌",
publisher = "公益社団法人 日本口腔インプラント学会",
number = "2",

}

TY - JOUR

T1 - 固定性インプラント補綴における咬合調整を考える

AU - 松下, 恭之

AU - 木原, 優文

AU - 鮎川, 保則

AU - 江﨑, 大輔

AU - 古谷野, 潔

PY - 2016

Y1 - 2016

N2 - インプラント周囲には歯根膜がないため,インプラントと天然歯が混在する歯列においては,インプラントにオーバーロードが生じやすく,MISCH はインプラント部での応力減少を企図したImplant-Protected Occlusion なる咬合理論を提言している.カンチレバー,広すぎる咬合面,強すぎる咬頭傾斜角などは大きな曲げモーメントを発生し,インプラント周囲の骨吸収につながりやすい.これらを減弱するような調整が必要と考えられている点では現在でも通用するコンセンサスと考えられる.しかし,インプラント部の咬合接触を周囲天然歯部より歯根膜分をリリーフする咬合理論については,理論的に正しいとしても,適正な噛みしめ強度が不明であること,臨床で筋力を計測する簡便で有効な機械が普及していない,対合歯の許容能力も個々の歯によってかなり違っていることなどから,適正な咬合調整を実施することは難しい.一旦削りすぎてしまえば,隣在歯への負担が大きくなってしまう.そこで従来の天然歯の咬合調整と同様に行い,対合歯の違和感やスクリューの緩みが認められるようであれば,慎重に削合調整を継続することで臨床的対応としている.

AB - インプラント周囲には歯根膜がないため,インプラントと天然歯が混在する歯列においては,インプラントにオーバーロードが生じやすく,MISCH はインプラント部での応力減少を企図したImplant-Protected Occlusion なる咬合理論を提言している.カンチレバー,広すぎる咬合面,強すぎる咬頭傾斜角などは大きな曲げモーメントを発生し,インプラント周囲の骨吸収につながりやすい.これらを減弱するような調整が必要と考えられている点では現在でも通用するコンセンサスと考えられる.しかし,インプラント部の咬合接触を周囲天然歯部より歯根膜分をリリーフする咬合理論については,理論的に正しいとしても,適正な噛みしめ強度が不明であること,臨床で筋力を計測する簡便で有効な機械が普及していない,対合歯の許容能力も個々の歯によってかなり違っていることなどから,適正な咬合調整を実施することは難しい.一旦削りすぎてしまえば,隣在歯への負担が大きくなってしまう.そこで従来の天然歯の咬合調整と同様に行い,対合歯の違和感やスクリューの緩みが認められるようであれば,慎重に削合調整を継続することで臨床的対応としている.

U2 - 10.11237/jsoi.29.65

DO - 10.11237/jsoi.29.65

M3 - 記事

VL - 29

SP - 65

EP - 70

JO - 日本口腔インプラント学会誌

JF - 日本口腔インプラント学会誌

IS - 2

ER -